ゲンティングループ 営業利益60%増加

  • 2017.09.20
ASEANビジネスニュース

マレーシアのコングロマリットGenting Bhd(ゲンティン社)の2017年度第2四半期の純利益は、4億5633千万リンギットとなり、昨年度同期の2億8982千万リンギットに比べて営業利益が増加した。

ゲンティングループが経営するゲンティンハイランド(パハン州)にあるカジノリゾートResorts World Genting(リゾートワールド・ゲンティン)の第2四半期の収益の増加は、一般客に加え、中産階級から富裕層の顧客の収益増加による。特に、今年2017年3月にオープンした新しいアトラクションSkyCasinoが、一般客からの収益増加に貢献した。

しかし、カジノのプレミアムプレイヤーの対応にかかる経費や、ゲンティンハイランドに新しくオープンしたショッピングモールやケーブルカー、駐車場を建設するプロジェクトGenting Integrated Tourism Plan (GITP)のための設備投資などにより、利払い前・税引き前・減価償却前利益(EBITA)は減少した。

 

英国のカジノにおける第2四半期の収益とEBITAは減少した。これは、取引量の低下、優良顧客の減少、英国ポンドに対してマレーシアリンギットが弱くなったことによるものである。

米国とバハマのレジャー事業の収入は増加した。これは主に、リゾートワールドカジノ・ニューヨークシティのカジノ運営に関して、ニューヨーク市政府の手数料が改善されたこと、そして、米ドルがマレーシアリンギットに対して強くなったことによる。しかし、これらの増収はリゾートワールドビミニ(バハマ)の減収によって相殺された。

プランテーション部門の増益は、パーム製品の価格が上がったこと、パーム果実の生産量の増加、バイオディーゼルと精製パーム関連製品の売り上げ増加によるものだ。

電力部門の収益およびEBITDAは、インドネシアのバンテン(Banten)火力発電所が2017年3月28日に運転を開始したことにより増加した。

石油・ガス部門は、主に平均原油価格の上昇により、収益およびEBITDAが増加した。

 

 

【THE KLの視点:マレーシアの財閥ゲンティングループ】

ゲンティングループは、カジノリゾート運営を主力とし、パームヤシのプランテーション、不動産事業、クルーズ運営などを行っているマレーシアの財閥で、シンガポール、香港などに約40の子会社をもつ。

創業したのは、1918年中国福建省からマレーシアに渡って来た林梧桐(Lim Goh Tong)。1969年にはマレーシア政府からカジノの営業許可を取得し、一代でゲンティンハイランドに「雲の上のラスベガス」と呼ばれる一大カジノリゾートを作り上げた。

 

マレーシアでは他に、リゾートホテルやプレミアムアウトレットの経営、パームヤシのプランテーション経営とパームオイルの精製、不動産開発などを行っている。

 

マレーシア以外では、シンガポールのResorts World Sentosa Singapore(リゾートワールドセントーサ・シンガポール)、アメリカのニューヨーク市とマイアミ州、カリブ海のバハマ、イギリスのバーミンガムとロンドンなどカジノリゾートやカジノを運営している。また、レジャー産業以外では、インドネシア、フィリピン、インドなどで、ガス、火力、風力発電事業を行っている。

2015年に子会社のゲンティン香港がシンガポールの有名クラブZouk(ズーク)を買収したことが話題になったが、Zoukはゲンティン香港が運営するクルーズ船ゲンティンドリーム内にもある。

2020年には、米国ラスベガスにカジノリゾート、2018年にはマレーシアのゲンティンハイランドにアジア初となるテーマパーク「20世紀フォックス・ワールド」を開業する予定であるなど、意欲的に大規模なリゾートやレジャー開発を続けている。