2017年マレーシアの求人広告にみる給料が高い職種とは?

ASEANビジネスニュース

マレーシア国内で最も給料が高いのは、IT、ヘルスケア業界。一方、給料が最も低いのはホテルや飲食、教育、人材派遣や人材教育業界であるーー。

この調査は、金融系サービス比較サイト「iMoney」が、就職ポータルサイト「Jobstreet」のレポートに基づいて行ったもので、マレーシアの英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ(New Straits Times、オンライン版)」が9月19日に報じた。

「iMoney」によると、ホテルや飲食業は初任給は高いものの、生涯収入では低い傾向にある。

新入社員の給料が高いのは、エンジニアリング業界と建設業界で約5,533リンギット、次に高いのがホテル、レストラン、経営管理マネジメントで5,100リンギット。それにIT業界の4,600リンギットが続く。

幹部補佐ポジションでは、ITバンキング、金融業界が6,500リンギット、ヘルスケア、小売りが5,950リンギット、ITや化学業界が5,182リンギット。

上級幹部職になると、化学、石油&ガス業界が最も高くて28,250リンギット、ヘルスケア、美容、フィットネス業界が15,167リンギット、エンジニアリング系コンサルタントが11,333リンギット。

支店長や部長職では、建設、石油&ガス業界で15,611リンギット、会計、宝飾業界、エンジニアリング、日用消費財業界が14,500リンギット。

最高幹部職になると、人事や総務、建設やエンジニアリング業界で35,000リンギット、ヘルスケア業界が27,500リンギット、半導体業界が27,500リンギットとなった。

「iMoney」によると、マレーシアの平均月給は5,000リンギットで、被雇用者の40%が3~6%増の昇給を受けているという。また、「給料が上がるなら転職する意思がある」と60%が回答している。

 

 

【THE KLの視点】

マレーシアの給与額は日本に比べて非常に幅が広い。下をみれば、工場などで働いている外国人労働者の月給が1,000リンギット程度、マレーシア人短大卒の初任給が1,300リンギット程度の企業も多い。

一方、キャリアを積んでいけば上記(記事参照)のような高給取りになることも可能とあって、「転職すれば給料が上がる」という意識が特に20代、30代前半のマレーシア人の若者の間で強く、短期間で転職を繰り返す「ジョブホッパー」は少なくない。

そのため、有能な人材をいかにつなぎとめるかは多くの企業の課題といえるだろう。マレーシア人に、日本のような「会社への忠誠心」を求めても無駄であろう。各種手当や昇給面を充実させるほか、働きやすく、人間関係が良好な風通しのいい職場環境を作っていくことが有能な人材をつなぎとめる一つの方法といえる。