Sunway KL近郊の鉄道沿線の土地取得へ意欲

ASEANビジネスニュース

マレーシアのコングロマリット、Sunway(サンウェイ)が、クランバレー※1の公共交通機関沿線の土地を取得する意向を明らかにした。開発が進む都市鉄道※2の駅から徒歩圏内の土地に住宅、ビジネス、レジャーなどの施設を開発するTOD(Transit Oriented Development、沿線開発)を進めていくという。

2017年の1月から土地の選定を進め、セランゴール州のカジャンやKLのワンサマジュなど5か所に合計約5億5000万リンギットの土地をすでに取得しており、さらなる土地取得を目指している。

 

※1 クランバレー
クアラルンプールと、隣接するセランゴール州の一部のこと。マレーシアのビジネスや政治の中心地。"Greater Kuala Lumpur"(グレーター・クアラルンプール)と呼ばれることもある。

 

※2 クアラルンプール近郊では、LRT(Light Rail Transit、都市旅客鉄道)やMRT(Mass Rapid Transit、大量高速輸送)の開発が進んでいる。2017年7月に、スンガイブローとカジャンを結ぶ全長51kmのMRT1号線が全面開通。スンガイブローとプトラジャヤを結ぶMRT2号線も着工しており、2022年開通を目指しているほか、3号線も計画が進んでいる。

 

 

【THE KLの視点】

日本の不動産開発において沿線の価値を見込んだ開発は馴染み深いが、これまで「電車は低所得層の乗り物」というイメージが強く沿線の価値があまり評価されていなかったマレーシアでは、周辺に商業施設や住宅がほとんどない駅も珍しくない。だが、渋滞解消のためにMRTやLRTの開発が進み利用客が増えるにつれ、最近は駅周辺の土地の価値も高まってきた。今後、MRTやLRT沿線の地価はさらに上がっていくだろう。