アリババとマレーシア政府が参画する「デジタル自由貿易区」が始動

中国のECサイト最大手のアリババ(阿里巴巴、Alibaba)とマレーシア政府がKLIA(マレーシア国際空港)近くに共同で設立したデジタル自由貿易区「KLIA Aeropolis DFTZ park」の稼働式典が、11月3日に行われた。アリババにとってこのDFTZは海外初の拠点となる。

ナジブ首相とアリババの創業者で会長のJack Ma(ジャック・マー)氏のほか、デジタル自由貿易区(Digital free-trade zone、DFTZ)を主導する政府傘下のMalaysia Digital Economy Corporation(MDEC)のCEOや政府閣僚も出席した。

 

DFTZは、中国国外では初めてとなる世界電子商取引プラットフォームeWTPElectronic World Trade Platform)の機能ももつ。「eWTP」はマー会長が杭州G20首脳会合で提唱した概念で、多分野の企業がこのプラットフォームに参加することで、物流ハブ、電子サービス、電子決済・融資、IT人材育成を併せた機能を構築し、貿易による障壁を取り除き、中小企業や若い世代に必要な支援を行なっていくというもの。

 

マレーシア政府は、デジタルエコノミーを含む中小企業(Malaysian small and medium enterprises、SMEs)の成長を新たな成長分野に位置付けている。DFTZの創設により、2025 年までにSMEの輸出額を380 億米ドルに伸ばし6万人の新規雇用を創出する計画だ。実際、DFTZには、すでに1972社もの中小企業が参画しているという。

アリババの金融系子会社Ant Financial(アントファイナンシャル)はマレーシアの金融大手CIMBグループ傘下のタッチアンドゴー(Touch'n Go)との業務提携を締結し、電子マネーなどの技術を提供している。この提携は、タイ(Ascend Money)、フィリピン(Mynt)インドネシア(BBM)に続くものだ。さらに、アリババは10月30日、Alibaba Cloud(アリクラウド)のマレーシアデータセンターを立ち上げ、マレーシア、シンガポール、香港、タイなどの消費者向けサービスを提供していくことを発表している。
アリババはLazadaの83%の株式を取得しているほか、インドネシア本土で最大のEC企業Tokopedia(トコペディア)に新たに巨額の融資を行うなど、マレーシアを拠点に、東南アジアにおける電子商取引市場での勢いを着実に強めている。