シンガポール ー マレーシア国境を結ぶ鉄道 2024年末までに開設へ

シンガポールとマレーシアの国境

シンガポールとマレーシアの政府は、1月16日、国境を結ぶ鉄道路線「Rapid Transit System (RTS) Link」を2024年末までに開設すると発表した。

シンガポールのリー・シェンロン首相と、マレーシアのナジブ首相は、シンガポールで会談し、シンガポールとマレーシアのジョホールバルを結ぶ鉄道路線を開設することで合意した。RTS Linkの事業は、両国の鉄道会社である「SMRT」と「Prasarana Malaysia」が今年6月までに合弁会社を設立し、計画を進めていく。

現在、シンガポール - マレーシア間を越境するには、渋滞する通勤ラッシュ時には4時間ほどかかることもある。RTS Linkの運行が始まれば、渋滞が大幅に緩和されることが期待されている。

 

RTS Linkの7つのポイント

以下は、マレーシアの英字紙「The Star」がまとめたRTS Linkの要点である。

①  通勤ラッシュ時には4分毎、平均で8分毎に運行され、両方面共に1時間に1万人を輸送できる。現在、Johor Bahru(ジョホールバル) ー Woodlands(ウッドランズ /シンガポール)間で運行されているKTMが運行するシャトル電車の輸送能力は毎時平均300人であり、飛躍的に輸送効率が上がる。

 

②  ジョホールバル側には、KTMのJohor Bahru Sentral(ジョホールバル・セントラル)駅近くに新たにBukit Chagar(ブキッチャガー)駅が設けられる。シンガポール側にはWoodlands North(ウッドランズ・ノース)駅が設けられ、2019年頃に開通する予定のThomson-East Coast MRT Line (TEL)に乗り継げるようになる。

 

③  現在では、出国手続きをしたのちに移動し、入国手続きをする必要がある。RTS Linkは、両国側に共有の税関・出入国管理・検疫(CIQ)の施設が設けられ、どちらかの国を出る際に1度手続きをするだけで済むようになる。

 

④  RTS Linkの長さは約4km。高さ25mの橋を通ってジョホール海峡を渡る。

 

⑤  運賃は両国の合弁会社が設定し、両国の政府は介入しない。

 

⑥  現在、マレーシアのKTMが運行しているJohor Bahru(ジョホールバル) ー Woodlands(ウッドランズ)間のシャトル電車は、RTS Linkのサービス開始後6カ月以内に終了する。

 

⑦  現在KTMのシャトル電車の終着駅となっているWoodlands Checkpoint(ウッドランズチェックポイント)は、RTS Link開設後、再開発される予定だ。