都会の雑踏から10分ほど離れたボタニカルガーデンのすそのにあるISLAMIC ARTS MUSEUM MALAYSIA(イスラム美術館)は、近代イスラム建築様式の建物の中にあります。

 

 

800種以上のイスラム美術品のコレクションをもち、白い内装の広々とした贅沢な空間に世界のモスクのレプリカや食器類、調度品、ジュエリー、古文書などが展示されています。

 

 

ペルシャ地方で発掘された真鍮製の器。12星座の模様が施されています。

 

 

オスマン帝国時代に作成された天文学文書。中東で天文学が発展した理由は、砂漠や海上を移動するイスラム商人や宣教師が、メッカの方向や礼拝の時間、ラマダン(断食)の時期を正しく把握しなければならないという背景がありました。

 

 

イスラム教の聖地メッカにある聖モスク(マスジッド・ハラーム)の中にある建造物(カアバ)を覆う布(キスワ:写真中央の黒い布)です。イスラム教が誕生する前のジャーヒリーヤjāhilīya(無明時代)からカアバに多数の神々が祀られていたそうです。キスワはイスラム教以前から、カアバ神殿にかけられていたものと言われていますが、黒い布地に金色の糸でコーランの聖なる言葉が刺繍されています。毎年新しい布にかけ替えられています。

長さ約12m,奥行10m,高さ15mのカアバを覆うキスワは、刺繍に120㎏の金、50㎏の銀が使用されています。布自体の大きさは658平方メートルです。17 millionリヤル(約499,904,280円)といわれています。

 

 

イスラム教では偶像崇拝が禁止されている為、コーラン(イスラム教経典)を複写する過程で、カリオグラフィ(イスラム書道)や文様が発展したと言われていますが、荒涼とした灼熱の砂漠に住む民が、文字に癒しを求めていたのかもしれません。上記写真は、ニエロ細工が施された書道筆入れです。

 

 

金銀のシルク糸で絢爛な刺繍が施されたガウン。王様がまとうにぴったり。

 

 

猫の香立て。紀元前3000年前からメソポタミア地方では、アフリカ、インド、アジアとの交易でお香となる香木、芳香のある樹脂、麝香などが取引されていました。

 

 

紀元前1,500年前にガラス製造技術がすでに確立していた中東。西洋史に傾倒しがちな日本人にとって、新たな発見があります。

 

 

 

一目見た瞬間に手に取りたくなる鏡です。中央にあしらわれている真珠と周りの細工が美しい。

 

 

世界のモスクが勢ぞろい。ミニチュアにしては、精妙に実物に近く再現されています。エルサレムの岩のドーム(The Dome of Rock)からイラク・サマラの螺旋状のミナレットのあるグレートモスク(The Great Mosque)など、まだまだ訪れてみたい場所がたくさんあることに気付きます。

 

 

常時コレクションが増えるごとに増設、改装をしている為、訪れるたびに違う顔を見せてくれ、何度も足を運びたくなる不思議な魅力があります。ただ、あまりにも広く、展示物も多いので休憩がしたいという人にお薦めは、真っ白で美しく、ひんやりとした館内のカフェです。

 

 

中庭の噴水や木々を眺め、日常の喧騒を忘れて静かでゆったりと幸せな時間を過ごすことができます。     

 

 

 窓の向こうには、MASJID NEGARA(ナショナルモスク)も見えます。

 

 

 

【店舗名 】 ISLAMIC ARTS MUSEUM MALAYSIA(イスラム美術館)
【住所】 Jalan Lembah Perdana,50480 Kuala Lumpur, Malaysia
【電話番号】 603 2092 7070 / 603 2274 2020
【営業時間】 AM10:00 - PM6:00
【定休日】 なし
【予算】 大人:RM14.85 / 子ども( 18歳以下 ):RM7.40 / 子ども( 6歳以下 ):無料
【喫煙】 -
【WEBサイト】 http://www.iamm.org.my/