ビットコインや仮想通貨の価値が上がり、デジタル通貨を生み出すコンピュータープロセッサーやチップメーカーの株に金と同様の価値を見出す。
デジタルコインは、複雑な算術を駆使して作られている問題を解決した者に支払われる。解決すればするほど、難易度が高まり、パワフルなハードウェアを内蔵したコンピューターが要される。デジタルコインの価格が上昇すればするほど、採掘者による初期投資の回収を早める機器の需要が高まる。
グラフィックカード、プロセッサーカード、パワーサプライ、メモリ、ケーブル、ファンからなる採掘セットは、2,400から3,800米ドル程でアマゾンで購入できる。ちなみに月々0.29ビットコインの採掘を可能とするアントマイナーS9の小売価格は2,795米ドル。4カ月の採掘でようやく元が取れることになる。採掘者は採掘セットを一式購入するか、自分で組み立てている。主な部品の製造メーカーを取り上げた。
Nvidia Corp
カルフォニア州のサンタ・クララをベースとするグラフィックプロセッサーの製造メーカー。近年、ゲーマーやビットコイン採掘投資家で同社製の機器を利用する者が増え続けている。NVIDIAのウェブサイトに掲載されているGPUは、1,200米ドルで取引されている。 6月6日のRBCキャピタル・マーケッツのレポートによると、ビットコインの発掘に使われるコンピュータシステムであるマイニングリグの市場が約13億ドルまでに成長しているという。また、コイン・マイニング・コストの約2/3を占めるGPUの需要は、8億7500万ドル相当に増加すると見込まれている。
NVIDIAのアナリスト、ミッチ・スティーブス氏は、NVIDIAが予測さてれいる需要の半分を獲得した場合、GPUの販売額は10%増加するであろうと述べた。ジョンペディリサーチ(Jon Peddie Research)のレポートによると、同社はGPU市場の約75%を所有している。
株式会社アドバンスト・マイクロデバイス
AMDは、エーテルやコインの採掘で使用されるグラフィックカードを製造している。AMDのRadeonグラフィックカードを手に入れることはほぼ不可能だとPCWorldの記事に取り上げられたことにより、カリフォルニア州Sunyvaleの株がフィラデルフィア・セミコンダクター・インデックスで過去1週間好調に推移した。
同社はまた、採掘設備の構築に通常使用されるプロセッサを製造しており、同社の最高技術責任者、マーク・ペーパーマスター氏は、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ・コンファレンスで、ライバルであるインテル社に対抗する製品をラインナップしていると語った。過去1ヶ月間でシェアは27%上昇し、12ヶ月の間に約3倍となった。
インテルコーポレーション
デジタル通貨の採掘は、Intelプロセッサの需要をさらに押し上げるであろうとStifel Nicolausのアナリスト、ケビン・キャシディ氏は述べている。 AMDのCPUは採掘者の間で人気を博している一方で、インテルは業界のリーダーであり、新興のライバル企業に対抗するため措置を取っている。同社の株価は、過去1年間で17%上昇したにとどまり、ライバル社に遅れをとっている。
マイクロンテクノロジー
アイダホ州のボイシを本拠地とするマイクロン社は、採掘機器の部品のひとつであるメモリチップメーカーとしてアメリカで最大手ある。マイクロン社の株価は今年50%上昇し、過去12ヶ月間で倍増している。